政府が宗教法人法の解釈を変えることは、当然すべての宗教法人に影響する。従来、宗教法人の解散命令請求の要件は同法81条第1項の第1号について「刑法等の実定法規の定める禁止規範又は命令規範に違反するものであって、しかもそれが著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」をしたこととの解釈を明示し、第2号の「宗教法人法二条に規定する宗教団体の目的を著しく逸脱したと認められる行為」(1995年12月19日東京高裁)と共に併記されていた。だがその第1号についての解釈が岸田文雄内閣の下で一夜にして「民法上の不法行為も含まれる」(2022年10月19日参院予算委員会、岸田首相答弁)と解釈変更されたのである。