【公開】全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団に対しての回答書(2)
全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団に対しての回答書(2)を送付しました
2023年3月29日付で全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団に対して送付した回答書(2)を以下に公開いたします。
令和5年3月29日
全国統一教会(世界平和統一家庭連合)被害対策弁護団
事務局次長 弁護士 阿部克臣殿
回答書(2)
前略 当職らは、世界平和統一家庭連合(以下「当法人」という。)を代理して、貴職らの本年3月19日付け通知書(2)(以下「通知書(2)」という。)に対し、以下のとおり回答します。
記
1 通知書(2)の1について
当職らの3月2日付け回答書で述べたとおり、現在、貴職らが主張する本件通知人らの「被害」の実態を正確に把握するため、各地の信徒会において事実関係を詳細に調査しており、調査が完了した案件から順次、各地の信徒会が個別に対応する準備をしています。
つきましては、当方が前回要請したとおり、貴弁護団所属の「300名を超える全国の弁護士」の中から、各通知人を担当する弁護士を早急に指定して、弁護士名・連絡先等を一覧表にして当職らにお知らせください。
貴職らは「当弁護団は、依頼者より、弁護団として依頼を受けております。個々の弁護士が依頼を受けているのではありません」と述べていますが、個々の事案の事実関係を無視した交渉など成り立つはずがありません。貴職らが真に依頼者の利益を最優先に考えるのであれば、いたずらに集団交渉に固執するのではなく、速やかに各通知人を担当する弁護士を立てて個別の交渉をスタートさせることこそ、本件紛争の早期解決に資すると考えます。
実際、本件通知人らの中には、既に現場で交渉中だった案件が3件ありましたが、それらの案件を、貴職らは何の通告もなく集団交渉に統合させたうえ、それまでの交渉を一方的に反故にしました。その結果、当該案件の交渉が中断し、それにより、早期解決を願っていたはずの当該通知人らは、むしろ不利益を受けたと言えるのではないでしょうか。
なお、貴職らは通知人らの全てを「被害者」と主張していますが、極めて疑わしいと言わざるを得ません。というのも、通知人48人の中には10年以上にわたって熱心に信仰生活を送っていた信者が約20人存在し、その中には30年以上の信仰歴を持つ信者も複数人います。彼らが信仰心に基づいて感謝の気持ちを込めて捧げた献金までも「被害」と断じる貴職らの主張を、当法人は無条件に受け入れることはできません。また、民法の不法行為の除斥期間を遙かに超えるものや、そもそも当法人の信者にすらなっていない者までも「被害者」にするなど、貴職ら主張の「被害」の内容はあまりにも乱暴・杜撰であると言わざるを得ません。
また、当法人は、元信者らが原告となって当法人に損害賠償を請求した過去の民事訴訟において、原告側が「被害」を殊更に誇張して主張したケースをいくつも経験してきました。中には、原告側が水増し請求した約4億円もの請求が棄却された裁判例もあります。これらの裁判の原告代理人が貴職らの中に含まれていることを考えれば、当法人が貴職ら主張の「被害」をそのまま受け入れることができないのは当然であります。
2 通知書(2)の2について
前回の回答書で述べたとおり、従来、貴職らから損害賠償請求の通知書を受け取った場合、各地の信徒会において事実関係を調査したうえで交渉を行い、合意、解決に至ったケースが何件もあります。事実、最近においても、各地の信徒会関係者らと貴弁護団所属の弁護士との間で個別に交渉し早期に解決した案件も多数あることは、貴職らも熟知しているはずです。にもかかわらず、この期に及んで「当弁護団は、被通知人とは別の組織として『信徒会』を認めるものではありません」などと主張し、当法人と貴弁護団との「集団交渉」に固執し続ける貴職らの姿勢は、極めて不可解です。そのような貴職らの主張は、依頼者の利益を最優先して早期解決を目指すものではなく、別の意図や目的があるのではないかとの疑念さえ生じます。
上記1で述べたとおり、貴職らが主張する通知人らの「被害」の実態を把握するためには、現場の調査、具体的には各地の信徒会関係者らによる個別具体的な調査が不可欠です。かかる詳細な調査を経て、通知人らの請求内容の真偽や当否を把握したうえで、これまでと同様、各通知人の代理人弁護士との間で個別に交渉して紛争解決を目指すことが、最も合理的かつ現実的方法であり、何よりも通知人らの利益に資するものと考えます。何故なら、当法人が貴弁護団という一つのチャンネルで集団交渉するより、各地の信徒会関係者らが各通知人の代理人との間で同時並行的に交渉を進める方が、より効率的であり、事案の早期解決にもつながることは自明だからです。
なお、「(被通知人は)当弁護団とは交渉せず個別の弁護士と交渉する、というご趣旨のようです」との貴職らの理解は不正確です。当法人は、貴弁護団所属の「300名を超える全国の弁護士」の中から、速やかに各通知人の担当弁護士を指定するよう要請しているのであり、それはすなわち、貴弁護団との交渉に他なりません。
通知書(2)の(4)において、貴職らは、本件と全く無関係の「ファイヤーウォール」発言を取り上げていますが、当法人の友好団体である天宙平和連合(UPF)の魚谷俊輔事務総長による同発言は、抽象的で不正確な内容であるものの、趣旨としては、信徒会やUPF等の友好団体が組織的に別個のものであることを前提として述べており、いずれにしても、信徒会が法律的に当法人と別団体であることは明らかです。
3 通知書(2)の3について
貴職らの「(被通知人が)信者でなかった者の被害についても把握されているはずです」との主張は、全くの推測や決めつけによるものであり、事実に反します。
当法人が、信者にすらなっていない通知人の情報を把握していないことは、当然です。その当然の事実について「誠意を尽くして対応する態度ではない」とする貴職らの主張は、余りにも非常識というほかありません。
そもそも、貴職らは通知書(2)において「多くの裁判例で認定されています」などと繰り返し述べていますが、他の民事訴訟の結果は本件とは全く無関係です。言うまでもなく、民事訴訟の判決は、各訴訟の原告及び被告についての個別具体的な証拠及び事実に基づいて司法判断が下されたものであり、裁判所が何らかの普遍的な判断を下したものではありません。即ち、一部の判決を普遍的な司法判断であるかの如く主張する貴職らは、一部の判決を自らに都合良く拡大解釈しているに過ぎません。
本件の通知人48名の中には、信者本人だけでなく、信者の親族も含まれています。また、各通知人の請求内容は、献金に関するものだけでなく、物品の購入に関するもの等が混在しているものもあり、事案の内容は通知人により様々です。さらに、信者本人に関しても、各人の信仰形成過程や献金の動機等も様々であり、全て異なることは明らかです。
即ち、48名の通知人が体験した具体的事実関係は48通り存在するのであり、これらすべてを一緒くたにして、過去の裁判例を都合良く当てはめ、これら通知人をすべて「被害者」であるとする貴職らの主張は、極めて杜撰かつ不当です。
4 通知書(2)の4について
通知人らが合計14億6481万円余りの損害を受けたと主張しているのは貴職らである以上、まずは貴職ら自身が具体的な証拠に基づき、それを立証すべきです。貴職らが主張する「多くの裁判例」においても、原告がまず被害額とそれに伴う事実を主張し、それを立証する証拠を提出し、それについて、被告側が事実の調査をしたうえで認否反論するという手順を踏んで、判決に至っていることは、貴職らも当然熟知しているはずです。本件請求についても、このような手順を踏むべきです。また、これまでの個別交渉も、そのような手順を踏んできたはずです。
にもかかわらず、貴職らが「被通知人が保有する損害に関する記録の開示が有益です」などと述べるのは、何らの具体的な根拠や証拠もなく、本件の損害賠償請求を行っているからではないでしょうか。ましてや、自らの立証責任を棚に上げ、当法人に対し「損害に関する記録の開示」を求めるのは、立証責任の転嫁に他なりません。
なお、当法人において「通知人の献金等について全ての記録が残っている」事実はありません。そもそも、当法人が全ての記録を所持していないことは、貴職らが過去の事例からもよく認識しているはずです。
5 通知書(2)の5について
貴職らは、通知書(2)において「被通知人が発生させた被害は、長年にわたり多くの裁判例で認定されてきました」と繰り返し主張していますが、上述のとおり、過去の民事裁判の結果は、本件とは無関係です。たとえ、過去の特定の裁判で「被害」が認定されたケースがあったとしても、それは本件通知人らが「被害」を受けたかどうかとは全く別の問題です。
上記1で述べたとおり、現在、各地の信徒会において貴職らが主張する通知人らの「被害」の実態を調査しています。一通りの調査が終了した案件から、随時、速やかに交渉をスタートさせるためには、各通知人を担当する弁護士が不可欠です。
つきましては、改めて、貴職らに対し、貴弁護団の「300名を超える全国の弁護士」の中から各通知人の担当弁護士を早急に指定して明示することを求めます。それこそが、本件の早期解決を図るうえで最も合理的かつ現実的な方法です。
貴職らが、非現実的な集団交渉に固執することは、本件の早期解決を妨げる行為に他なりません。当職らは貴職らに対し、貴職らの依頼者である通知人らの利益を最優先に考え、個別の対応をすることを強く希望します。
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