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平和経 - 第九篇 国境線撤廃と世界平和 - 18. 平和王国時代における人類とアメリカが行くべき道

18.平和王国時代における人類とアメリカが行くべき道


日付:二〇〇四年四月十九日
場所:アメリカ、ニューヨーク、ニューヨーカーホテル
行事:第四十四回「真の父母の日」



尊敬する内外の貴賓の皆様。まずはきょう第四十四周年「真の父母の日」を祝うために全世界からお越しいただき、この場に参加してくださった各界各層の指導者の皆様に心より感謝申し上げます。特別に今回、きょうまで常に私と共にあられ、守ってくださった神様にすべての栄光をお返し申し上げ、深い感謝を捧げます。



今は解放、釈放の時代


私は生涯を通じて、神様の創造理想を実現するという一念で、諸般の難問題の解決のために苦心してきました。分かってみると神様は、栄光と尊貴な玉座にいらっしゃる方ではなく、堕落して地獄に落ちた子女たちを捜し出して救うために全力を尽くしてこられた、悲しみと嘆きと苦痛の神様でした。


そのような神様のみ旨と心情を知るようになった私の生涯は、一言で言えば、夜も昼も、季節も、環境も跳び越え、ひたすら神様のみ旨を成就するために全身全霊を尽くしてきた日々でした。今や摂理の進展は、天一国宣布四年目を迎えました。摂理の進展に従って、昨年五月四日の「創造理想主管圏大転換時代宣布」と七月十三日に宣布した「蕩減復帰摂理の撤回」を契機として、蕩減革命、良心革命、心情革命の烽火が燃え上がっているのです。


二〇〇三年八月二十日に宣布された第四次イスラエル国を実体化するための努力と第一イスラエル圏である中東の平和のための精誠によって、ついに二〇〇三年十二月二十二日、エルサレムでイエス様の王権即位式を奉呈しました。このような勝利的基台の上で、二〇〇四年三月二十三日、第二イスラエルであるアメリカの国会ビルで平和王権即位式が行われ、それを契機として、人類に真の解放、釈放の時代が近づいてきました。年頭に宣布した「神様の祖国と平和王国時代」が現実化され始めたのです。

▲真の父母様、第3イスラエル平和の王戴冠式および平和大使授賞式(2004.3.23)


私は去る一九七一年に、天の命令に従ってアメリカに渡ってきました。三十年以上もの間、あらゆる迫害を受けたにもかかわらず、私がきょうこの場に皆様と席を共にすることができたのは、神様が共にいてくださったお陰であると思います。


きょうのこの意義深い日に、皆様と共に神様の摂理的な視点から歴史と世界を理解するために「平和王国時代における人類とアメリカが行くべき道」という題名でお話しいたします。


神様の救援摂理的歴史観の立場から見るとき、歴史の終末は、サタン主管の悪なる歴史の終末であり、同時に神様主管の善なる歴史の出発の起点となります。したがって、終末とは天の摂理の全般を完成させなければならない時です。すなわち終末は、個人完成を完結させなければならない「終わりの日」であり、家庭、民族、国家、世界、さらには天宙の完成を完結させなければならない「終わりの日」なのです。



世界を指導する超民族、超宗教の理念が必要


神様は、摂理路程において終末期を迎えるたびに、神様中心の理念圏に人類を引っ張ってこられましたが、実際、人類は自ら責任分担を果たすことができず、悪なる歴史を整備して善なる立場に立つということを成し遂げることができませんでした。しかし、神様は、絶対、唯一、不変、永遠の方なので、神様のみ旨に対する予定もまた絶対です。


ですから、神様は、堕落によって人類が失った真の個人、家庭、社会、国家、世界、そして真の主権の復帰を通して、天上と地上に神様が運行するその世界を探し出して成し遂げられるのです。神様が探しておられる本然の世界は、どのような世界でしょうか。その世界は、真の父母を中心とした真の世界です。


しかし、人類は堕落によって、歴史の過程ではなく、歴史の始まりの時点において、人類の真の父母と真の世界を失ってしまいました。その結果、堕落によって、私たちが住んでいる地も、人類が所有する理念も、どれ一つとして真の父母と直接関係をつないでくれるものはないのです。ですから、人類は何よりもまず「真」を見つけなければなりません。


そうして、真の父母、真の夫婦、子女、民、万物、主権、宇宙が、真の神様の心情を通じて共に動ずることができる、そのような日が、人間世界において悪なる世界の「終わりの日」になるのです。そのような理想が実現するその時が「終わりの日」であり、すなわち再臨の時期です。ですから、再臨の時期は、火の審判があり、地が割れ、信じる人が空中に引き上げられたりする、そのような天変地異の現象が起こるわけではありません。絡み合った曲折の悲運の歴史が蕩減され、個人から家庭、社会、国家を経て、世界が正しく立てられる時なのです。


縦的に失った個人、家庭、社会、民族、国家、世界を再び探し出し、横的に連結させて、歴史的な個人、家庭、社会、国家、世界を成し遂げる時です。人類が願って生きてきたその日が、人類の希望であり、人類歴史が行くべき終着地なのです。ところが、個人も、家庭も、国家も行く道を失ってしまいました。



危機の世界を救うためのレバレンドムーンの生涯


世界では各種の公害問題や食糧問題、さらには宗教間の葛藤、人種間の対立などが至る所で起こっており、各種の紛争の主要な原因になっています。誰がこの世界に責任をもつのでしょうか。深刻な問題です。


過去に共産主義国家も自らの民族主義を越えることができませんでした。今日の強大国アメリカも汎米主義理想を越えることができずにいます。自国の利益だけを前面に立てる場合には、世界を指導することができません。自らを供え物としてでも世界人類を抱き、より次元の高い理想的な国に前進しようという理念によって団結した、ある民族、ある宗教が必要な時です。


そのような側面から、私は神様の命を受け、ここアメリカに来て、青年たちを教育しながら、没落していくアメリカの道徳的な危機に対して強い警告を与えるとともに、地に落ちたキリスト教の再復興のために全力を尽くしてきました。皆様はレバレンドムーンの教えの核心が何か気になるのではないでしょうか。その答えは簡単です。


第一は、「より大きなもののために犠牲となって生きよ」ということです。個人は家庭のため、家庭は氏族のため、氏族は民族のため、民族は国家のため、国家は世界のため、世界は神様のために生きよということです。


そのようにすれば、その神様は結局、「私」を訪ねてこられるのです。家庭でも、父母は子女のために生き、子女は父母のために生き、夫は妻のために生き、妻は夫のために生きなければなりません。よりために生きる人が善の中心者になるのです。


第二は、怨讐を愛することです。神様は、堕落して悪魔サタンの子女となってしまった人類を救うために、ひとり子イエス様を遺わして、犠牲の道を歩ませました。怨讐を実の子よりも愛するところには、サタンも自然屈伏するのです。いつもサタンの戦略は打って奪われるのであり、天の戦略は打たれて取り戻してくるのが公式的なものとなっています。私が全生涯を通じて、数多くの迫害と苦難を受けてきたにもかかわらず、今日、全世界百八十五ヵ国に宣教基盤を築くことができたのは、そのような天理に従って生きてきたからです。


内外の貴賓の皆様。今まで神様が投入し、犠牲となったものはすべて、誰のためのものでしょうか。それはアメリカのためでもなく、キリスト教自体のためでもありませんでした。結局は、堕落によって失った「私」一人を救うためだったことを知らなければなりません。


堕落が一個人から始まったので、救いも一個人から始まらなければならないのです。ですから、代表的な一人の人が現れて、「この時代の責任を果たします。神様に人間が負わせたすべての負債を清算し、堂々と善なるものをお返しできる私になります」と自覚しない限り、復帰する道はありません。


漠然とした立場では絶対に蕩減復帰はできません。観念的であってはいけません。悲惨なことがあれば、神様に代わって、悲惨さを被っている当事者以上の心情をもつことなしに、神様の心情に到達することはできないのです。



キリスト教の使命


皆様は、自分の子女が死んでいくというそのような深刻な心情で、世界の人類のために祈ってみたことがありますか。皆様は個人を犠牲にして家庭を救い、氏族、民族、国家、世界を救うために、どれほど精誠を尽くしましたか。そのような点では、誰も自信をもって答えることができないでしょう。そのような絶対的な基準の代表者として来られた方が再臨主なのです。


人間始祖が堕落して以来、救いの摂理を展開してこられた神様は、アダムの時から二千年後にアブラハムを立てられ、その子孫の中から選民を立て、新しい家庭、氏族、民族を編成したのですが、それが正にイスラエル民族です。メシヤを迎えるための勝利的な基台の上に召命された選民がユダヤ民族だったので、将来メシヤを実体で迎えるための主流民族となったのです。主流民族にならなければなりませんでした。


その主流の真髄を調べてみると、本来、人間始祖アダムとエバが果たせなかった使命を再現するための基準と理念が必要だったのですが、それが正にメシヤ思想であり、キリスト教徒たちの立場からして見れば、新婦思想なのです。主を新郎として迎えるために、新婦としての資格を準備することが、キリスト教の最も重要な使命なのです。


そのような重大な使命があったにもかかわらず、ユダヤ民族はイエス様を十字架で処刑することによって、第一イスラエルとして召命を受けたユダヤ民族は流れてしまい、第二イスラエルであるキリスト教が、その使命を継承してきたのです。神様は、その一つの目的を中心として六千年間摂理してこられましたが、その摂理の終末が今のこの時代なのです。


それでは、メシヤ思想の核心とは何でしょうか。それは世界を救い、統一する思想であり、本然の理想家庭を築くことのできる教えであり、人間始祖が堕落によって失ってしまった真の父母の位置を取り戻すということです。


聖書の教えを見ても、メシヤは、父の権勢をもって来られ、聖霊の実体の立場である新婦に出会い、真の父母の位置を回復される存在です。ヨハネの黙示録に預言されている「小羊の婚宴」の後に、新郎と新婦は真の夫婦の段階を経て、真の父母となるのです。


そのような使命のために来られた方がイエス様でした。イエス様は、イスラエルの不信によって民族と国を失ってしまいましたが、神様の希望だった世界と天国のために命を捧げました。十字架にかけられたイエス様の苦難の路程は、神様と共に歩まれた苦難の道でした。


イエス様は茨の道にあっても、「彼らの罪をお赦しください!」と切に求めました。死んでいく場でも、未来の勝利を期して、ローマと、反対する群れを祝福したのです。


ですから、イエス様の生涯は三十三年で終わったわけではなく、神様の援助の中で、歴史とともに続いてきたのであり、彼の精神を継承したキリスト教は、世界的な宗教にならざるを得なかったのです。



文明の循環と温帯文明圏の出発地


内外の貴賓の皆様。アメリカは今、世界で最高の強大国と言われていますが、神様の摂理の線上に正しく立たなければ、いつまでも強大国であり続けることはできないでしょう。人類史を文明論から見ると、古代文明の発祥は主に熱帯圏で始まりました。マヤ文明、インカ文明、エジプト文明、インド文明と中国の黄河文明など、古代文明の発祥地は、亜熱帯圏や熱帯圏でした。


人間が堕落しなかったならば、春の季節に当たる温帯文明から文明が始まるべきでしたが、熱帯文明から始まり、秋の季節に当たる冷帯文明圏に属するようになりました。それは自由世界を中心とした温帯文明圏であり、西洋文明がその中心です。赤道を中心として見ると、その文明圏は大体北緯二十三度圏に連結しており、アメリカ、イギリス、ドイツなど西方の先進諸国がこれに該当します。


秋の季節に当たる涼帯文明圏が終わり、冬の季節に当たる寒帯文明がしばらく押し寄せてくるようになります。それが共産主義の出現でした。知識人たちの多くは、ソ連の解体後に、戦後の冷戦体制は終わったと考えていますが、いまだに唯物論と無神論は、無力化した民主と共産の二大思想の代替理念として世界の随所に蔓延しています。


本来、神様の創造理想は、春の季節の温帯文明から始まるべきだったのですが、人間の堕落によって熱帯文明の原始的な状態から出発したのです。これからは、涼帯文明の危機と寒帯文明の脅威を越えて、古代から人類が追求してきた真の春の文明である温帯文明が現れるでしょう。


誰が寒帯文明の冬の季節を溶かすことができるのでしょうか。権力や経済、科学や知識では不可能です。河川と海岸を中心とした文明の循環を調べてみても、文明は循環しています。ナイル川、チグリス川、ユーフラテス川を中心に発達した文明は、ギリシャ、ローマ、スペイン、ポルトガルを中心とした地中海文明に移り、その地中海文明は、イギリスとアメリカを中心とする大西洋文明を経て、最後にはアメリカ、日本、韓国をつなぐ太平洋文明圏で結実するようになるのです。


そのような文明史的な観点から見ると、韓半島の位置は極めて重要です。韓国は、北方にロシアと中国をつなぐ寒帯文明圏の極地点があり、南方にはアメリカと日本をつなぐ涼帯文明圏の極地点があります。したがって、ここに二大文明を消化できる世界史的な春の季節の温帯文明圏が誕生するというのが摂理観です。


そのような側面から、その二大文明の結実地である韓国から、人類的課題として残されている世界の南北問題と東西問題を解決するために生涯を捧げてきたレバレンドムーンが現れたというのは、神様の摂理的な帰結と言わざるを得ないのです。


実際に、私が生涯を通して人種と理念と国家を越えて、「神様のもとの一つの世界」運動を展開してきたのは、そのような神様の摂理に沿った道だったというのです。これは摂理史的な原則であって、私がつくりあげた特別な理論ではありません。



真の父母として展開してきた「神様のもとの一つの世界」運動


天のみ旨を悟った私の活動は、理論だけではなく、以上のような神様の構想を実現するため、外的に五大洋六大州で私の手が及んでいない所がありません。アラスカ、南極、南米の三十三ヵ国、旧ソ連邦の各国とアジア、アフリカ大陸の国々など、全方位的な宣教と事業基盤を通して、到来した新千年紀の時代に、人類が直面する公害や食糧問題などを解決できるように準備をしてきたのです。近年にはブラジルのパンタナールとアマゾンを中心として、地球環境保全に対する実質的な基盤を整えてきました。


一方、内的には、これまで「国際合同結婚式」と「真の家庭の価値誓約運動」を通して、これまで四億組を目指して式典を挙行し、神様が長い間、待ち望んでこられた理想家庭を土台とした地上天国の建設に拍車を掛けてきたのです。


内外の貴賓の皆様。これまで世界は、政治、軍事、経済面において優越した力をもった国々が支配してきました。しかし、神様の摂理と一直線上に立たないとき、永遠の国はありません。輝かしいギリシャローマ文明の滅亡が、そのよい例です。今日、超強大国にそびえ立ったアメリカは、過去のロマと同じ立場です。ローマの滅亡は、外からの侵犯というよりは、道徳的な堕落という内的な原因によって天の運勢が離れたからでした。


一時期は労働者と農民を主体とみなす唯物論と唯物史観に立脚した政治勢力が、旧ソ連と中国を中心として世界の人口の三分の一、地球面積の三分の二を占有したこともありました。しかし、それも永遠には続きませんでした。今後は、神様のみ旨を代弁する宗教人たちが勢力を得る時が来るでしょう。


宗教指導者は、神様のみ旨を地上に宣布し、人類に進むべき方向を提示してあげる預言者です。しかし、今のように四分五裂となって継続されてきた教派間の葛藤と宗派間の争いは、神様の摂理に対して障害となるばかりです。


ですから、私はかなり前から教会の全体予算の半分以上を超教派、超宗派運動に投入し、宗教間の葛藤を解決するために努力してきたのであり、さらに「世界平和宗教連合」を創設し、宗教団体間の和解と一致によって、人類平和を増進する運動の先頭に立ってきました。全人類は、人種と宗派を超越して、創造理想世界の実現に向けた神様の摂理を理解し、究極的には神様の心情と一致点をもたなければなりません。



神様を解放してこそ真の解放の道が開かれる


堕落によって失ってしまった神様との心情的関係を回復して、本然の父母と子女の位置を取り戻さなければならないのです。したがって、神様が約束された「終わりの日」は、真の父母が顕現する日です。言い換えると堕落によって父母を失った人類が、本然の父母を再び迎えることのできる希望の時なのです。


したがって真の父母は、人類歴史の希望の結実体であり、望みの結実体であり、勝利の結実体です。統一教会は、このような伝統を、国際合同結婚式を通じて世界化してきました。民族と人種、皮膚の色を跳び越え、黒人と白人、黄色人種の人々が同じ兄弟姉妹として一つになり、夫婦となることは、地球村を一つにしようとする神様のみ旨の成就において、最も重要なことの一つなのです。


今日、そのように人類は、失った本然の兄弟姉妹、夫婦、親子の関係を回復し、究極的に、我が子を失って嘆いてこられた神様を解放してさしあげてこそ、真の幸福の道が開かれるのです。今まで民主主義は「人間の自由」と「人間の解放」を主張してきました。それとは違い、これから私たちは、「神様の自由」と「神様の解放」を主張しなければなりません。この問題を解決すれば、人間の解放はもちろん、人間の自由回復は自然と成就されるのです。


アメリカは様々な面において、神様の祝福によって準備された国です。アメリカを建国した先祖たちは、命を懸けて信仰の自由を求めて国を探してきた清教徒たちです。


彼らは真の信仰の自由を求め、愛する親兄弟と故郷に別れを告げ、さらには国まで捨てる覚悟で命を懸けて大西洋を渡ってきました。


メイフラワー号がニューイングランドに到着したのは、一六二〇年十一月の晩秋のことでした。出発した百二人のうち、その年の冬を越えられずに寒さと飢えにより半分以上の人々が死にました。彼らが立派だったのは、子孫のために翌年に蒔く種を残して、自分たちは飢え死にしていったという事実です。



建国精神を失ったアメリカを生かすために努力してきたレバレンドムーン


清教徒たちは、何をするにも神様のみ旨のために生きているという信仰が徹底していました。彼らは一年目の収穫を手にして神様に感謝を捧げ、先に教会と学校を建ててから自分たちの住む家を建てました。清教徒たちが開拓していく路程で農業を営むときも、戦争するときも、いつも先立たせたのが祈祷でした。


独立戦争当時、かの有名な最後の激戦地であるフォージ渓谷で、ジョージワシントン将軍は、戦闘をしながら、決戦に臨むその瞬間に、命を懸けた祈祷を捧げたでしょう。神様のみ旨を先立たせた戦闘において、神様はアメリカの手を挙げてくださったのです。


当時、世界的な強大国だったイギリスは、国王と国民が一つになって戦いましたが、アメリカは神様と神様の愛する息子、娘が共に戦ったのです。ですから、アメリカという信仰の自由の国家が成立したのです。今もアメリカは、国会が開院するときに祈祷で始めます。大統領が就任の宣誓をするときも、聖書に手を置いて神様のみ前に誓いを立て、聖職者の祈祷を受ける国です。


さらには、貨幣にも「我々は神を信じる(In God We Trust)」という言葉が刻まれている唯一の国です。このようにして、アメリカは信仰の自由を確立し、プロテスタントを信奉する世界的な形態を整えた国家となったのです。


ところが、今のアメリカはどうでしょうか。公立学校では、公式的に祈祷を禁じています。創造論よりも進化論を教育しています。さらには五〇パーセントに達する離婚率は、家庭の神聖さを余すところなく破壊しています。


そのような現実を心配された神様の声を聞いた私は、いち早く一九七一年に祖国と家族を後にしたままアメリカに渡ってきました。そして私は、数度にわたって全国を巡回しながら「火事の家に消防士として来たのであり、病気にかかったアメリカを治療する医師として来た」と叫びました。


既にそのとき、私は、神様がアメリカから離れつつあることを発見しました。アメリカのあらゆる所に神様がいらっしゃらなければならないのですが、反対に随所から神様が離れ始められたのです。人々の心から、家庭から、学校から、神様が離れつつありました。振り返ってみると、ニューヨークのマンハッタン五番街を歩きながら、アメリカを離れられる神様にすがってとめどなく涙を流したことが、きのうのことのようです。不幸にもアメリカは、私の予言したとおり、道徳的に衰亡の道を歩んでいます。



アメリカを愛する人が本当のアメリカの主人


皆様。どうしてレバレンドムーンがアメリカで反対され、苦労し、このように叫んでいるのでしょうか。私は神様がアメリカを訪ねてこられるまでに流された血と汗と涙の御苦労を誰よりもよく知っているので、この三十四年間、アメリカにいながら、一日として気を楽にして過ごしたことはありません。


アメリカの主人は誰でしょうか。白人でも、黒人でもありません。神様がアメリカを愛されるように、アメリカを愛する人が本当のアメリカの主人なのです。アメリカは地上に神の国を立てるために選ばれた長男のような立場の長子権代表国家なので、今もイエス様は霊的にアメリカの地に主におられながら、神様のみ旨を成就してくれることを切実に願っていらっしゃいます。


一方、私は、神様のみ旨に従って、一九八二年に「ワシントン・タイムズ」を創刊し、アメリカの行くべき正しい方向を提示する保守紙としてアメリカの世論をリードしてきました。そして、真の家庭の価値運動と青少年たちのための純潔運動を通じて強力な救国救世運動を展開してきました。それらすべては、アメリカが神様の摂理の前に正しく立つことができるようにと願う心から投入したのです。


私が一九六五年にワシントンDCを訪問した時に定めた、ホワイトハウス近くの聖地には、今も夜を徹してこの国アメリカのために祈祷する人々が大勢います。皆様は、心の扉を開いて、あの清教徒をはじめとした歴代の愛国の烈士たちの切なる願いを聞くことができ、そのような叫びを、そのような望みを聞くことができなければなりません。



神様を中心とした真の父母、家庭、国家、世界を探し出すべき時


内外の貴賓の皆様。歴史的な二〇〇四年は、六千年間追求してこられた神様の救援摂理歴史が終わり、エデンの園で失った創造理想が天宙的に実現する時です。人間の堕落によって主人を失ってしまった万物の嘆きも解放される時であり、長い間分かれていた父母と子女が再会する、これ以上涙のない新しい天と新しい地がつくられる時であり、地上と霊界が一つに通じ、地上と天上に「神の国」が建設される新しい時代が訪れました。


生きておられる神様の直接主管が、全体、全般、全権、全能の勢力として現れる時代です。東洋と西洋の全体が天地父母を中心として「唯一なる神様のもとの一つの宇宙」として、地球星大家族主義世界が実現する時です。それは聖書に預言された旧約の約束と新約の約束が成就する成約時代の完成を意味します。今や時が来ました。アメリカがもう一度、覚醒すべき時が来たのです。


第二の建国運動を挙国的に展開し、神様を中心とした真の父母、真の家庭、真の国家、真の世界を探し出すベき時なのです。そうして離れようとされる神様を再びお連れしてこなければなりません。六千年間も準備して訪ねてこられた神様は、アメリカを離れられたら、どこに行かれるでしょうか。


神様に正しく侍るならば、家庭問題、倫理問題、青少年問題、人種問題は、自ずと解決されます。五色人種が一つになって生きていくアメリカは、地上天国のモデルです。この時に私たちは、一致団結して人類の進むべき道を開かなければなりません。長子の国であるアメリカが先頭に立って、天の父母様に侍り、世界各国を神様のみ前に導く先導者的な使命を完遂しなければならない時です。その歴史的な課業を完遂するために、みな共に参加してくたさるようお願いします。



神様が直接主管される時代の到来


去る三月二十三日に、ワシントンDCに位置するアメリカ国会議事堂で、天宙天地天地人父母様に対する平和王即位式は、神様の王権を地上に実体的に安着させた偉大な宣言でした。さらにまた、当日、議事堂で行われた天宙平和統一理想天国の宣言は、国連国家祝福家庭連合時代を開いていく歴史的な起源となりました。


今や、天宙・天地天地人父母を中心として理想家庭が基盤となって、地上天国、天上天国が現実的に実現される天一国四年になりました。それで四月のこの期間において、「天使世界の解放、釈放」に続き、「カインアベルの釈放」、さらにきょう第四十四回「真の父母の日」を契機として、「父母様の釈放」の日となったのです。


ひいては、今度の五月一日は、「世界基督教統一神霊協会」創立五十周年を迎え、「国家の釈放」の一日を迎えるでしょう。解放、釈放の時代を迎え、今後、全体、全般、全権、全能の神様にすべてを任せ、直接導かれる神様の直接主管の時代が到来するのです。


改めてこの場にお越しくださった皆様に深甚なる感謝を捧げ、天と地に平和と自由と正義があふれる新しい千年王国が始まることを願いながら、私の話を終えようと思います。皆様の御家庭と国に神様の祝福が共にあることを願います。ありがとうございました。